院長からのメッセージ
口というものは全身の鏡と言われるくらい全身の変化が表れていることが多く、白血病、糖尿病、悪質貧血など歯ぐきに表れます。非常に難治性疾患といわれているベーチェット病にしても口腔内に口内炎として表れます。口腔ガンについても早期に発見されやすく生存率が非常に高くなってきております。従って口の中にいつも関心を持つことは大切だと思っています。
口の中の二大疾患、虫歯と歯槽膿漏をなくすため患者さんには予防を強くお勧めしております。子供の間食の与え方、妊娠中の注意事項、口臭について等、口腔内を健康に保つ為の知識を身につけ笑顔を取り戻していただければこれに勝る幸せはありません。
女性と歯槽膿漏
女性の歯ぐきは、非常にデリケーとにできています。これは、女性の卵巣ホルモンの異常が、歯ぐきに密接に影響を与えるためです。
そのため、思春期になると、急激に歯肉炎にかかる女性が多くあります。初潮の前後2年、あるいは月経の前後、また妊娠した場合や更年期にも、歯ぐきに炎症を起こすことがあり、これらは、思春期性歯肉炎、月経性歯肉炎、妊娠性歯肉炎、更年期性歯肉炎と名付けられています。
これらは、初潮、月経、出産などとともに治るものですが、このように微妙なホルモンのバランスによって歯ぐきが影響を受けるため、女性は非常に重症の歯槽膿漏にかかりやすいといえます。歯槽膿漏にかかっている人の数は男女ともに同じぐらいですが、歯ぐきがザクロのようにぶよぶよになった重い症状は、女性に多く見られます。女性は、男性以上にデリケートな歯ぐきを守るため、十分に注意しなければなりません。
虫歯予防の3要素

フッ素塗布

歯にフッ素を塗ると40〜50%虫歯の抑制が出来ますが、乳歯のうちのそれも一歳半前後が適当な時期です。しかし奥歯には細かい溝があるので、フッ素を塗っても確実に虫歯にならないというわけではありませんから、これで安心というわけにはいきません。

予防充填

予防充填は、最も虫歯が発生しやすい奥歯の噛み合せの溝の部分を、始めからふさいでしまおうと言うもので、主として6歳臼歯などに行なわれます。アメリカでの臨床評価によれば、これによって虫歯の発現は乳歯では87%、永久歯では99%減少したという報告が成されています。

定期検診

虫歯や歯槽膿漏から歯の健康を守るために、私たちはブラッシングやフロッシング、口腔洗浄器の利用、フッ素塗布、予防充填などを行ないますが、それでもなお、虫歯や歯槽膿漏が進行することがあります。特に子供の場合にはその傾向が強く、年に数回の定期検診を受けて健康のチェックをすることが必要だと言われています。虫歯や歯槽膿漏も他の疾患と同様に、早期発見、早期治療が大切です。